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桃太郎の本当の話


昔、むかし、あるところにお爺さんとお婆さんが居ました。

お婆さんは、33歳の時に子宮ガンで子宮をとってしまったので、

お爺さんとお婆さんのあいだには、子どもがいませんでした。

そんなお爺さんとお婆さんも、もう60歳。

もう立派な、おじいさんとおばあさんです。

お爺さんとお婆さんは決して裕福ではありませんでしたが、

二人で、暮らしていくには充分な収入を得ていました。

お爺さんは、芝刈を専門とする人材派遣会社の雇われ社員です。

そのお爺さんは、町へ芝刈をしに。

お婆さんは、川へお爺さんの臭いくつ下もろもろを洗濯しに行きました。

お婆さんがCDショップで借りてきたCDを録音したカセットテープを聴きながら、

川で洗濯をしていると、

突然、『どんぶらこ、どんぶらこ』と録音した覚えの無い音楽とともに、

川上から、直径1メートルほどの大きな桃が流れてきました。

お婆さんは、ビックリするのもつかの間。

目の色を変え、「今夜の晩飯じゃぁ〜」と叫びながら、

洗濯物を急いで長く伸ばし、それらを結んで投げ縄を作りました。

そして、「ほわっちゃ〜ぁ」と、無意味な奇声をあげ、

洗濯物投げ縄を桃に向かって、晩飯。という欲望剥き出しのまま、力の限り投げました。

その手には血管が浮き出るほどに・・・。



お婆さん、ナイスタイミング。

桃は、見事お婆さんお手製投げ縄に引っかかりました。

お婆さんは、力の限り桃を岸へ寄せようと一生懸命引っ張りました。

顔を真っ赤にしながら・・・。

お婆さんが、ふらふらになりながら家へ帰り着くと、

お爺さんは、なんとも準備がよさげに、

日本刀と、1メートル半はあろうかというまな板を用意し、よだれを垂らして待っていました。

「お爺さん、なんでこんな時間に家にいるんじゃ。仕事ば、どうしたとね?」

「仕事?なんじゃそりゃ。仕事より桃じゃ。はよ、座って切らんかい」

お爺さんは、はよ、座れ。と、座布団を叩きました。

「飽きれたじいさんじゃ。」



お婆さんは、またもや、

「きえぇ〜っ」

っと、無意味な奇声をあげ、桃を真上から真っ二つに割りました。

なんと、中から出てきたのは・・・・・

お婆さんが切った桃とともに真っ二つに切れ、脳と腸の飛び出した赤ん坊と、

桃太郎、と書いてある赤ん坊の返り血を浴びた本でした。

お婆さん「・・・・・・・・・」

お爺さん「・・・・・・・・・・・・・・・??」

お互い、一生懸命現状を把握しようと必死でした。







数年後、

桃を真っ二つに両断してしまったお爺さんお婆さんが自分たちを責め続け、

そして、2人の世界の人々が鬼の侵略に怯えながら暮らすことになったのは云うまでもありません。

お爺さんとお婆さんは、

返り血を浴び、真っ赤に染まった『桃太郎』という本の中の

自分たち夫婦が育てた桃太郎、という名の少年が

世界を脅かす鬼を退治する様子を見て、鬼に怯えながらいつも思います。



・・・真横から切っとけば良かった。



と。